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【大前研一 大前研一のニュース時評】みずほシステム障害問題 元をたどると原因は“ITゼネコンの縄張り意識” (2/2ページ)

 つまり前身の旧3行の主導権争いを背景に、この3社のITゼネコンも譲らず、ゴチャゴチャ言い合っている間に、らちが明かなくなって、中立的とみなされたNTTデータなんてところも入ってきて、さらに入り乱れた。お粗末な話だが、これがトラブった原因だ。

 ちなみに、三菱UFJ銀行と三井住友銀行は合併時、それぞれ三菱が主導して日本IBMに、住友が主導してグループ会社のNECにシステムを一本化している。

 この夏、みずほFGはシステム運用を担う要職に日本IBMの幹部を迎えた。「MINORI」開発に関与してきた人間だ。今後、日本IBMに絞ろうという話も聞こえてくる。

 このようにITゼネコンが譲らない構図は、地方自治体でも起きている。例えば、東京都と杉並区、世田谷区のITシステムに関与するITゼネコンは、それぞれ違う。東京都で1本にしようなんてことはできない。自治体も役所も「みずほ状態」となっているのが現状だ。

 政治家や役人にはどういうシステムにすれば便利で国民の役に立つのかという構想力がない。だから、システム開発を請け負うITゼネコンにすべてを丸投げしてしまう。役所ごとに業者選定をしているから、同じマイナンバーシステムでも市区町村ごとに異なるやり方になる。

 一方、ITゼネコンも競合他社に仕事を奪われたくないから、他社が容易に改修などできないようなシステムを構築する。で、システム同士の相性が悪くなり、統合しようとすれば、みずほ銀行のように障害が起こってしまう。

 ITゼネコンというのは、一度入り込んだら、しがみついて離さない。なぜかというと、海外で勝負しようという実力がないからだ。自然、日本国内で稼ごうとする。「ご苦労さまでございます」としか言いようがない。

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