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【田村秀男 お金は知っている】習政権は不動産バブル崩壊を止めるか 住宅価格が標準世帯年収の30倍以上に達する都市も (1/2ページ)

 新型コロナウイルス感染第5波が引け、景気回復期待が高まるというのに、世界の株価は9月下旬以来、乱高下が続いている。米国連邦政府の債務上限問題や岸田文雄新政権による金融所得課税強化方針が波乱要因になったが、いずれも棚上げすれば済む。最大の懸案は何と言っても中国の不動産バブルを代表する恒大集団の債務危機だ。

 恒大集団は日本円換算で34兆円近くの負債を抱え、9月23日と同29日に米ドル債の利払いを見送ったが、猶予期間は30日間で、今月20日過ぎが債務不履行(デフォルト)を宣告されるかどうかの大きなヤマ場を迎える。

 デフォルトに陥った場合、恒大と同様、巨額の負債を抱えている不動産各社の債務返済不安が一挙に広がりかねない。欧米金融機関の推計では、中国の銀行債権のうち不動産関連が4割を超えている。銀行業界では中ほどにランクされる民生銀行、平安銀行、光大銀行は特に不動産業界への貸し付けが大きいとされる。銀行システムは相互に資金の相互取引網でつながっているために、一部の銀行の信用危機が全体に連鎖しかねないリスクが高まる。

 中国から伝わってくるネット情報では、習近平政権は水面下で恒大集団本社のある深●(=土へんに川)市をはじめ恒大が手がけた新築物件の多い各大都市や省の地方政府、国有企業、金融機関に対し、物件を買い取るよう調整を進めているという。共産党が金融機関、企業と地方政府をコントロールする中国特有の統制型経済では可能のようにも思えるが、実際にどこまで再編成が進んでいるのか不明だ。

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