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【新橋のネクタイ巻き TV視てますか?】小津的な美麗ショット満載!冴える平野眞の演出 『SUITS/スーツ2』

 もう少し待とうと思っていたが、えーい、書いちゃえ。フジテレビの月9ドラマ『SUITS/スーツ2』の再開が待ちきれない。

 今季の他局のプライム帯の新ドラマは日本テレビ『ハケンの品格』、テレビ朝日『BG~身辺警護人~』、TBS『半沢直樹』と“続編の大物”がずらり。だが、新型コロナウイルスの感染拡大による撮影スケジュール遅延のため、軒並み初回から放送延期の緊急事態となっているのはご存じの通り。

 そんな中、同じ“続編の大物”ながら『SUITS2』だけは初回と第2話をしっかりオンエアしたうえで、第3話以降の放送が中断となってしまった。つまり、とにもかくにも本作だけが年度初めの高揚感を味わわせてくれた。でも、それだけならこれほど待ち切れなくはない。初回と第2話を見て驚いたのだ。2018年10月期の『1』に比べて、面白さもクオリティーも格段にアップしている。織田裕二以下のレギュラー陣に、新たに加わった吉田鋼太郎の圧倒的な存在感。しびれる。

 『2』は演出が平野眞に代わった。昨年の連ドラのベストワンと言いたい月9『監察医 朝顔』を手がけた平野。父娘を描いた『朝顔』にはお気づきだろうか、小津映画と共通する空気感が漂っていた。おそらく小津映画に対する思い入れの強い監督に違いないと勝手に推測しつつ見始めて、『1』にはなかった演出上の特徴に気づいた。

 舞台は高層のオフィスビルが林立する東京の「大手町」と「丸の内」。うろ覚えだが、小津映画の中に佐野周二(関口宏の父)が丸の内のオフィスから窓の外を眺め、「東京もいいぞ」とかいうシーンがあった。その大手町や丸の内の重なり合うビル群をスタイリッシュにくり抜く小津的ショット(!)が今回の『2』には、ドラマ展開のアクセントのように頻繁に挟まれている。とても美しい。

 ときに、この「夕刊フジ」の編集部がある大手町のサンケイビルもとらえられている。千代田区から表彰されていいドラマでもある。(新橋のネクタイ巻き)

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