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「鬼滅の刃」 質、コロナ禍…変わる興行スタイルで歴代一位に (2/3ページ)

 東宝の市川南常務は、「友情、家族への思い、敵である鬼の内面のドラマなど、日本人の琴線に触れるテーマ性があることが国民的ヒットの理由」と説明する。また、「洋画が公開延期となり、全国の映画館のスクリーン数と上映回数を最大に確保できた。また、在宅でコミックの読者とアニメ視聴者数が激増する中で公開できた」と、コロナ禍の特殊な状況が大きく作用していると付け加える。

 映画ジャーナリストの大高広雄さんも、「もともと100億円は見込まれていた作品だが、それをはるかに超えた。作品の質とコロナの状況が重なり生まれた記録であることは確か」と話す。

■観客の心をつかむ特典

 大高さんは「興収の推移を見ると、勢いを保ったままなのが驚異的。過去に例がない」と指摘する。例えば単価の高い体感型の席が加わった今月26日の興収は、5億5千万円で、前週の19日の1億8千万円より3倍近くに増えた。「隔週で始めた入場者特典グッズの配布が功を奏している。観客の心理を知り尽くしたアニプレックスならではの戦略。グッズ目当てのリピーターも少なくないでしょう。配布初日に劇場に行列ができているのを目撃した」という。

 東宝の市川常務も「宣伝戦略の中でも入場者特典は緻密に計画され、学ぶところが多い」とアニプレックスの手法を絶賛する。