記事詳細

NHKドラマ『白い濁流』の佐々木希に腹を決めた女優の顔を見た (1/3ページ)

 役者が醸し出す雰囲気に変化を感じることは稀にあるものだ。ドラマウォッチを続ける作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が指摘する。

 * * *

 『白い濁流』(NHK BSプレミアム 日曜日午後10時)は薬品メーカーの研究開発最前線で起こる不正やねつ造、隠蔽の闇を描く“社会派エンターテインメント”。

 主人公は若手有望研究者の好並一樹(伊藤淳史)。そのライバルである柏木航(桐山漣)、そして一樹の幼なじみの恋人で新聞記者・河原智子(佐々木希)。3人を軸に薬品メーカー研究開発部で繰り広げられていくスリリングな展開。

 このドラマ、タイトルにある「濁流」がキーワード。「流れはしたたかに僕らを呑み込んでいった」という一樹のセリフが示すように、正しくないことを正しいと呑み込まざるを得ない濁流に身を置いた時、人はどうすればよいのか……。

 一樹は真面目な研究者で、「悪いことをしよう」なんて考えていない純朴な人。しかし、組織の中で必死に研究に没頭しているうちに、権力争いや利権の構造の中に組み込まれ気付いた時にはもはや自由に動けなくなっている。助教授職のポスト争い、企業と研究現場の癒着ぶり……大学ノートに細かく記された実験内容は、オリジナル研究の証拠。その貴重なラボノートを「渡せ」「いや渡せない」と、過去にどこかのニュースで見たようなシーンも登場してくる。濁流に巻き込まれていくお人好し。そう、この社会の縮図です。

NEWSポストセブン

関連ニュース