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【中本裕己 エンタなう】心の中がバレる星で悪に挑むアドベンチャー活劇 映画「カオス・ウォーキング」

 汚染された地球から新たな星「ニューワールド」に入植した人々は、なぜか男ばかり。女は死滅し、男たちは頭と心の中で考えていることが“ノイズ”となってさらけ出される。「カオス・ウォーキング」(公開中)は、混沌とした人の心にぐさっと入り込む新感覚のSF映画である。

 2257年、自然環境に恵まれた新天地にたどりついた人々は、その星の特性で、近づくだけで心のうちがバレるため、互いに疑心暗鬼になっていた。自分の心の“ノイズ”をコントロールできる唯一の男プレンティス(マッツ・ミケルセン)が首長として街を支配する。そんな中、青年トッド(トム・ホランド)は、地球からの偵察船が墜落し生存者となったヴァイオラ(デイジー・リドリー)を発見。初めてみる女性だった。首長から彼女を守るため、トッドは、ヴァイオラと逃避行する。

 女性は“ノイズ”がない。つまり男の願望だけがさらけ出される、という恥ずかしい設定が痛快。そして、宇宙ものでありながら、本編のほとんどが女性を悪党から守るアドベンチャー活劇で、原生林や激流での格闘など手に汗握る展開だ。

 原作は話題を呼んだパトリック・ネスによるSF小説「混沌(カオス)の叫び」3部作の第1部『心のナイフ』。亡き母を慕いながら、不敵さ全開のミケルセンが好演する首長に、まっすぐ挑むトッドが「銀河鉄道999」の星野鉄郎と重なって見えた。(中本裕己)

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