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【内田浩司のまくり語り】東京オリンピックで気づいたハンドル幅。プロの匂いがするハンドル

 東京オリンピックを観て選手のハンドル幅がやけに狭いのに気づいた。競輪では自力選手は広いのを、追い込みマーク選手は狭いのを好む傾向にある。ところが今はマーク屋よりも狭いハンドルが世界トレンドらしく競輪選手もまねている。理由は空気抵抗の軽減らしい。大ギアの時代になりタイムも上がったが障害物競走といわれる競輪ではあまり関係ないと思うがこれも進化なのか。

 そういえば昔、職人と呼ばれたマーク屋、井上茂徳さんや山口健治さんなど競りが強かった選手の多くは、ハンドルを自分の握りやすい形に加工していた。狭いハンドルを用意しエンド部分(両端)を機械で無理やり広げると、“ハの字”のハンドルが出来上がる。これを使うと仕事(競り中割)がしやすいと聞いた。オレはノーマルを使っていたがキュッと広げたハンドルの自転車はいかにも「職人の道具」って言うのかな、プロの匂いがした。

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 別府ナイター最終日S級決勝12Rは町田の先行と嘉永の自在戦の対決。両者の勢いは五分五分、激戦必至の車券は両者の表裏〔1〕⇔〔4〕-〔2〕〔3〕〔5〕〔7〕。

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 千葉JPFドームでPIST6というレースが始まった。6車立てで世界戦ルール(横の動きはなし)、車券を売るが選手は車番を背負ってはいない。言われなければ世界戦だ。派手な演出で出走選手たちはおのおの笑顔でカメラにアピールしていた。レース自体はスピード感がありすごい迫力だったが、意図的なのか選手があんなにリラックスしてレースを走れるのが不思議だった。いつも逃げ出したくなるほどの緊張感があったから。ギャンブルの対象としてそこに違和感を覚えたがオレが古いのかもしれない。とにかく決めるのはファンの方々だろう。

(元競輪選手)

 ■内田浩司(うちだ・こうじ) 1962年8月26日生まれ。福岡県出身。83年4月に51期生としてデビューし、S級上位で活躍。2015年10月29日に引退。通算435勝、優勝34回(記念Vは92年門司記念など6回)。FI先行・吉岡稔真(としまさ=福岡・65期)元選手の兄弟子で連携は多数。実直な性格と厳しい指導から“鬼軍曹”として恐れられていた。夕刊フジ競輪面にコラム『当てちゃる券』を執筆。『まくり語り』を連載中。競輪祭では特別コラム『小倉競輪祭 なう&リメンバー』を執筆。