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【ドクター和のニッポン臨終図巻】漫画家・ジョージ秋山「花が散るのは風のせいじゃない…」 明かされていない「死因」 (2/2ページ)

 「死」は生物的ですが、「死因」はあくまで社会的なもの。もちろん、死亡診断書に死因を書くことが看取った医者の義務ですが、秋山さんのように、世間にヒミツにすることは十分アリです。

 ジョージ秋山作品には、まるで名僧のような素晴らしい言葉が必ず見つかり、いつもシビレました。あまりにも良い台詞は、メモを取ったことさえあります。

 〈人生で一番大切なことは、機嫌がいいこと〉

 〈人間は上から入れて下から出す。それだけのこと〉

 〈花が散るのは風のせいじゃない。風が吹いても吹かなくても、花は散るのが運命〉…つまり、人が死ぬのは病気のせいじゃない。人は死ぬのが運命だと悟りながら、秋山さんは描き続けた。どんな医学書よりも、ジョージ秋山作品に人間の真実があったことに、還暦を過ぎてから気がつきました。

 ■長尾和宏(ながお・かずひろ) 医学博士。東京医大卒業後、大阪大第二内科入局。1995年、兵庫県尼崎市で長尾クリニックを開業。外来診療から在宅医療まで「人を診る」総合診療を目指す。この連載が『平成臨終図巻』として単行本化され、好評発売中。関西国際大学客員教授。

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