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【ドクター和のニッポン臨終図巻】元俳優・宮内淳さん この世での役目を終えて卒業 (2/2ページ)

 その宮内淳さんが、8月14日に本当に亡くなられていたそうです。享年70。死因は、直腸がんとの発表です。いつ発症され、どのような闘病だったかは明かされていないようです。

 宮内さんは、50歳を過ぎた頃に俳優業を引退し、環境問題の啓発を行う公益財団法人「地球友の会」を設立。自ら代表理事となって活動されていました。同会は、宮内さんの死に際し次のような発表をしています。

 「日ごろから宮内は、『死ぬということはこの世でのお役目を終えて卒業し、次のステージに行けるということでもあるのだから、どうか悲しまないでほしい』と語っておりました」

 このコメントに、思わず涙しました。人間は誰しも、何か「役目」を背負わされて生きているのだと日々感じます。赤ちゃんも100歳の人も、動物も、それぞれに役目は必ずある。「もういいよ、お疲れさん」と神様がそっと肩を叩いてくれたとき、魂は初めて休息できるようです。

 そう考えると、「死」とは、誰もが「殉職」なのかも…この世に生かされているうちは、「ファイト、一発!」と気合を入れ続けるしかないのかもしれません。

 ■長尾和宏(ながお・かずひろ) 医学博士。東京医大卒業後、大阪大第二内科入局。1995年、兵庫県尼崎市で長尾クリニックを開業。外来診療から在宅医療まで「人を診る」総合診療を目指す。この連載が『平成臨終図巻』として単行本化され、好評発売中。関西国際大学客員教授。

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