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【ドクター和のニッポン臨終図巻】俳優・ショーン・コネリー 「認知症だ。だからどうした?」と発信してくれていたら… (2/2ページ)

 しかし、洋の東西を問わず、スターたるもの、この病気を隠したいという思いはいまだあるようで、認知症で亡くなったという著名人の報道はあまり聞こえてきません。アメリカの故ドナルド・レーガン元大統領がアルツハイマー型認知症であると公表し、世界が衝撃を受けたのは、1994年のこと。認知症への偏見をなくすための勇気あるカミングアウトでした。

 しかし、あれから四半世紀以上経過し、超高齢化社会がやってきた現在でも、残念ながら、認知症の人たちへの偏見や差別は少なからずあります。もしもショーン・コネリーが、「私は認知症だ。だからどうした?」とあのニヒルな表情で発信してくれていたら、何かが変わっていたかもしれません。

 現在、世界には5000万人の認知症の人がいて、30年後には1億3000万人に上るとか。今こそ「認知症大国」といわれる日本が率先し偏見をなくそうと声をあげていくべきです。認知症で二枚目、認知症でハードボイルド…そういうお爺ちゃんが、筆者の地元・尼崎にはたくさん暮らしています。

 ■長尾和宏(ながお・かずひろ) 医学博士。東京医大卒業後、大阪大第二内科入局。1995年、兵庫県尼崎市で長尾クリニックを開業。外来診療から在宅医療まで「人を診る」総合診療を目指す。この連載が『平成臨終図巻』として単行本化され、好評発売中。関西国際大学客員教授。

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