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【ドクター和のニッポン臨終図巻】コメディアン・小松政夫さん 「アンタはエライ!」 演芸の神に愛された「大生前葬」 (2/2ページ)

 小松さんも、昨年11月の定期健診で肝臓がんが見つかりましたが、その直前に、ご自身の集大成とでもいうべきステージを成功させました。公演名はなんと、「『うつつ』小松政夫の大生前葬」--なんというタイミングでしょう。「アンタはエライ!」と思わず、小松さんの十八番を真似してしまうほどに。

 実は私も、50歳の時と、還暦の時に生前葬を2回も行いました。生きているうちにやったほうが、「ありがとう」と感謝の気持ちを伝えられるし、死への準備もできるはずかなあと。だけど「2回もやるのは異常や」と呆れる人が多く笑われました。少し早まりましたかね…。

 しかし、小松さんのように絶妙なタイミングで生前葬を行える人は、現実にはなかなかいません。もしも今年ならコロナ禍でそれも叶わなかったはず。演芸の神様に愛された男の、幸福な人生の仕舞い方に思えました。

 ■長尾和宏(ながお・かずひろ) 医学博士。東京医大卒業後、大阪大第二内科入局。1995年、兵庫県尼崎市で長尾クリニックを開業。外来診療から在宅医療まで「人を診る」総合診療を目指す。この連載が『平成臨終図巻』として単行本化され、好評発売中。関西国際大学客員教授。

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