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【今から始めよう!70代まで働く健康術】自粛やリモートワークで起きる顎関節症、歯を食いしばる動作でリスク増 重症なら口が開かずに食べられない、しゃべれない、痛い

 外出や人との会話が減り、自宅で仕事をする生活が続くと、思わぬ弊害が出てくる。

 期末の仕事のストレスなどが重くのしかかると、つい歯を食いしばるような事態になる。この動作が危ない。「顎(がく)関節症」になるリスクが上がるのだ。顎関節は、頭蓋と下あごを結び、左右の耳の下辺りに位置している。

 「顎関節は、口を開けたときに顎関節円板によって、スムーズに動く仕組みがあります。歯の食いしばりや、不用意に歯を接触させる行為を続けていると、あごの筋肉の緊張や関節円板の障害で顎関節症になるのです」

 こう説明するのは、塚原デンタルクリニック(東京都千代田区)の塚原宏泰院長。日本顎関節学会の理事を務め、歯科医師向けに『GP(一般開業医)治せる顎関節症』(DVD)などを手掛け、顎関節症の治療向上に尽力している。

 「コロナ禍での生活環境の変化は、閉塞的な環境や過度なストレスにつながります。顎関節症は、不安やストレス、顎に負担がかかるような咬み合わせや姿勢、咬みしめなど、さまざまな原因があります。それらが積み重なることで発症のリスクが上がります」

 まずは自分の今の口の歯の接触状態をチェックしよう。

 唇を閉じた状態で、上下の歯と歯の間が少し開いて、舌の先が上あごもしくは上の歯の裏側についていればベスト。上下の歯がくっついたままの状態がよくない。

 上下の歯がくっついたまま前屈みの姿勢になると、強く噛みしめることにつながる。パソコンやスマートフォンの操作は前屈みで行いやすく、しかも、長時間に渡るので注意が必要だ。このような状態で、オンライン会議や仕事のメールでストレスを感じると、ついグッと奥歯を噛みしめるようなことが起こる。

 やがて、食事のときに口を大きく開いたときに、あごの筋肉のこわばりや、「ガクッ」といった大きな音とともに顎関節に強い痛みが走り、口を開けなくなることがある。

 「顎関節症の軽症は、口を開けたときに『カクン』『コキン』と音がするだけで済むこともあります。関節円板が前にずれた関節円板前方転位といって、噛みしめによって動きに制限が起こることが多い。関節円板が引っかかって音が出るのです」

 関節円板がずれても、無症状の人が少なからずいるそうだ。無自覚のまま気づかずに、関節円板に負荷をかけ続けると関節円板が変形し、加えてあごの関節の骨も変形。すると「ジャリジャリ」「ミシミシ」といった音が聞こえるようになる。

 「重症の場合は、口が開かずに食べられない、しゃべれない、痛いといったQOL(生活の質)を著しく低下させます。症状(別項参照)があるときには、早めに歯科を受診しましょう」

 次週は、治療法と予防法を紹介する。(安達純子)

 ■顎関節症の症状をチェック!    

 □口を開けたり、閉めたりすると痛い

 □あごを動かすときに異常な音がする

 □口が大きく開かない、閉じない

 □噛み合わせが変わってきた

 □こめかみや頬のあたりが何もしなくても痛い

 ※当てはまる項目が多いほど顎関節症の疑いがある

 (塚原デンタルクリニックホームページから)

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