記事詳細

【今から始めよう!70代まで働く健康術】直腸がんの術後回復「仕事で外出」のメリット 東邦大学医療センター大橋病院外科・斉田芳久主任教授が説く (1/2ページ)

 進行がん治療は副作用が伴うことが多く、治療法や期間にもよるが、体調不良に陥ることがある。このため最近ではテレワークを活用し、仕事との両立に取り組んでいる人もいる。通勤せずに自宅で仕事ができるため、体調不良をカバーしながら取り組める利点がある。ところが、直腸がんの場合、テレワークが必ずしも良いことばかりにはならないという。

 「直腸がんの手術後は、トイレが近くなりやすいのですが、仕事で外出すると治りが早い傾向が見られます。抗がん剤の副作用ではテレワークはメリットがありますが、体力の回復や機能回復などを考える上では、外出した方がよいのです」

 こう話すのは東邦大学医療センター大橋病院外科の斉田芳久主任教授=写真。患者の身体への負担が少ない治療を追求し、さまざまな取り組みを行っている。

 たとえば、直腸がんの機能温存。直腸は肛門につながるゆえに、肛門に近いところにがんが生じると、直腸と一緒に肛門も切除して人工肛門にならざるをえない。しかし、近年、肛門括約筋を温存できる技術の向上で、肛門を温存できるケースが増えた。東邦大学医療センター大橋病院では、直腸がんの約9割は肛門温存を実現している。

 「直腸は便をためるところなので、直腸がんの手術で切除した後は、しばらくの間、トイレが近くなります。緊張すると大腸の動きが止まるので、仕事などで外出すると、トイレが近い状態が改善しやすいのです」

 大腸の動きは、副交感神経に支配されているため、リラックスして副交感神経が優位になると、トイレに行きたくなりやすい。反対に、仕事などで外出するときには交感神経が優位になるため、大腸の動きが鈍くなり、トイレのことも忘れてしまうこともあるという。つまり、テレワークでは排便機能が元に戻りにくい状態が生じる。

関連ニュース