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【ドクター和のニッポン臨終図巻】漫画家・富永一朗 糖尿病と共存し大往生 (2/2ページ)

 富永さんがそうであったように、生活習慣病である糖尿病は、還暦から気をつけたい病気の一つ。食生活を改善し、悪化させないことが大切です。そして、とにかく運動すること。僕は、「1日30分歩いてください」と毎日アドバイスしています。

 糖尿病の人は、特に食後に歩くことで血糖値が下がるだけでなく、インスリンの感受性が高まります。内臓脂肪を減らすことで死亡リスクも減ります。

 糖尿病が持続すると、全身の血管に動脈硬化がおこり様々な合併症がおこります。そのため、糖尿病の人はそうでない人に比べ、5年近く寿命が短いというデータもあります。

 しかし、富永さんは糖尿病と35年以上共存し、96歳の大往生。奥さんは20年前に亡くなっており、一人暮らしだったといいますから、自分で健康管理ができていたということでしょう。健康な人より、一つくらい持病がある人のほうが、健康に気を遣うためかえって長生きする……富永さんの生き方は、まさに「一病息災」でした。今頃、天国で『お笑いマンガ道場』が始まったところでしょうか。

 ■長尾和宏(ながお・かずひろ) 医学博士。東京医大卒業後、大阪大第二内科入局。1995年、兵庫県尼崎市で長尾クリニックを開業。外来診療から在宅医療まで「人を診る」総合診療を目指す。この連載が『平成臨終図巻』として単行本化され、好評発売中。関西国際大学客員教授。

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