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【東京舞台さんぽ】将棋・名人戦の一室「ホテル椿山荘東京」

 将棋の八大タイトル戦の一つ、名人戦。7番勝負の第1局は例年、東京都文京区の「ホテル椿山荘東京」で2日間にわたって指されている。数々の名勝負が生まれた対局室を訪ね、こだわりの“勝負メシ”を味わった。

 一帯は古くからツバキが自生する景勝地で、明治時代にこの地を気に入った政治家山県有朋が、私財を投じて庭園や邸宅を築いた。緑豊かな庭園は今もホテルの魅力のひとつ。造園当初の面影が残る幽翠池のほとりを歩いていると、都心にいることを忘れそうになる。

 2008年から庭園内に立つ数寄屋造りの料亭「錦水」が名人戦の会場に。共に永世名人の資格を持つ羽生善治九段、森内俊之九段ら、時代のトップを走る棋士たちが熱戦を繰り広げてきた。

 対局室となるのは「音羽」の間。広さ20畳の室内は静寂に包まれ、盤上に集中しやすい環境になっている。窓から見える池や木々の緑も、長考で疲れた頭をリフレッシュしてくれそうだ。床の間の一角には、渡辺明名人による「一歩千金」の色紙が飾られていた。

 対局者がお昼に食べる“勝負メシ”の一つ、松花堂弁当を味わった。小ぶりの三段重に、名物料理「ナスのしぎ炊き」や、季節の天ぷらなどが彩りよく盛り付けられている。カレーライスやにぎりずしなどのメニューもあり、ホテルのルームサービスで注文できる。

 音羽に隣接する「春日」の間は、大ヒットドラマ「半沢直樹」(TBS系)のロケをした場所だ。香川照之さんが演じた名物キャラクター・大和田暁の行きつけの料亭として、さまざまな密談を交わす場面が撮影された。通常は企業の接待のほか、結納や長寿のお祝いなどに使われているという。

 【メモ】ホテル椿山荘東京では、庭園内に人工の霧を発生させる企画「東京雲海」を実施中。夜間はライトアップされ、幻想的な光景が見られる

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