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【ここまで進んだ最新治療】再注目されるがんの温熱療法「ハイパーサーミア」 がん細胞の温度だけが急上昇して死滅 (2/2ページ)

 一方、がん組織の中にある血管は加温しても拡張することができないので、がん細胞の温度だけが急上昇して死滅していくという。また、ハイパーサーミアは温熱で直接がんを叩くだけでなく、副次的な効果もある。

 「特に抗がん剤の効果を増強させることが分かっています。ですから良く効く抗がん剤があっても副作用で使えない場合、抗がん剤の量を減らしてハイパーサーミアを併用することで劇的に効くケースが多々あります。さらに体を温めることで免疫力が高まる(T細胞の活性)ので、免疫チェックポイント阻害薬を使う場合、24時間前にハイパーサーミアを行うと良く効くようになります」

 ハイパーサーミアは約30年前から保険適用になっているが、あまり普及していなかったのは大規模な比較試験を行ってエビデンスを得ることが難しかったことがある。しかし、近年、抗がん剤治療や放射線治療などの進歩で、外来で長く治療を続けられる患者が増えたことで、あらためて注目されているわけだ。それに一昨年、ハイパーサーミア装置の最新機種が登場し、コンピューターによる自動制御で患者に合わせたベストな加温設定が操作しやすくなった。

 国内外のエビデンスが数多く集まってきたことから、日本ハイパーサーミア学会は近々、診療ガイドラインをまとめる予定。現在、国内でハイパーサーミアを実施している医療機関は100施設ほどある。 (新井貴)

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