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【医療 新世紀】コロナで注目「mRNA薬」 がん治療で治験中、幅広い病気に応用の兆し (1/2ページ)

 新型コロナウイルスワクチンに使われたことからよく聞くようになった「メッセンジャーRNA(mRNA)」は遺伝物質の一種だ。これを薬として直接体内に入れる研究が実用化目前に来ていたところへコロナの世界的大流行が起き、通常10年はかかるワクチン開発が1年未満という驚くべき短期間で実現した。ワクチンで高い有効性が示されたことで、今後幅広い病気の治療や予防に応用される可能性がある。

 ▽ベンチャー

 日本でも承認された米ファイザーとドイツ・ビオンテックが共同開発したワクチンと、米モデルナのワクチンの主成分はいずれも人工合成したmRNAだ。

 mRNA薬の人への投与はコロナが初めてではない。ビオンテックやモデルナなどのベンチャー企業は、別の病気の予防や治療を目的にmRNA薬の安全性と有効性を確かめる臨床試験(治験)を進めていた。

 インフルエンザやジカ熱などに対するワクチンのほか、皮膚がん、乳がんなどの治療を目指していた。

 ▽課題を克服

 mRNAは生命活動に必要なタンパク質を合成するため、設計図であるオリジナルの遺伝情報を部分的にコピーし、細胞内のタンパク質合成の現場まで運ぶ。

 コロナワクチンの場合は、ウイルスにある突起状のタンパク質の遺伝情報を注射で人の体内に入ると、細胞の働きでウイルスの突起状のタンパク質が作られる。

 人間の免疫がその特徴を記憶し、本物のウイルスが入ってきた際に素早く排除できるようになる。

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