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【S列車で行こう シルバーマル“得”ぶらり歩き】ユニークな「目力展」 板橋の美術館&郷土資料館

 緊急事態宣言が全国に拡大中なのでなるべく外出を控えよう。近所をぶらり歩きする。目的地は東京都板橋区立美術館と同郷土資料館だ。シルバーパスのいいところは都内の路線バスにほとんど乗れること。自宅そばの高島平駅から東武線成増駅行きの国際興行バスに乗り10分ほどで区立美術館前に着いた。

 同美術館では10月3日まで館蔵品展「目力展」(入場無料)=写真(1)=という目のつけどころがユニークな企画展開催中だ。「目は口ほどに物を言う」ように、目は多弁なもの。美術館収蔵品から象徴的に「目」を描いた作品、「目の存在」を感じさせる作品などを展示。目を通して当時の社会状況や画家の思いまでが見る者に訴えかける。

 自画像や肖像画に描かれた人物のまなざしが何かを語りかけ、目だけを描いた前衛画には私たちが見つめられているような気持ちにさせられる。放浪の画家といわれ、行き倒れた後に板橋の養育院に収容されて亡くなった長谷川利行の「赤い少女」があった。見るものに鋭い視線を向けている女性が印象深い。さまざまな画家の描くさまざまな視線に出会う面白い体験に満足した。

 美術館の立つ赤塚溜池公園には区立郷土資料館=同(2)=もある。20日まで収蔵品展「板橋のねがい・いのり・くらし-民間信仰と民具・絵馬-」を開催中。区内の民間信仰に関する展示だ。

 中山道板橋宿付近の「縁切り榎」について詳しく説明があった。もともとは男女の縁切りに霊験あらたかで、幕末に徳川家に嫁いだ皇女和宮の行列も迂回(うかい)したという逸話も興味深い。病気などの悪縁も絶つというから、コロナ時代にも頼りになるかもしれない。そんな思いを抱きながら再びバスで帰路に着いた。 (いくちゃん)

 【板橋区立美術館】 東京都板橋区赤塚5の34の27

 【同区立郷土資料館】 同赤塚5の35の25

 両館とも9時30分~17時、月曜休館。

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