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【食と健康 ホントの話】フキノトウの苦味成分「ペタシン」にがん増殖・転移の抑制の効果 岐阜大大学院の創薬研究グループが発見 (1/2ページ)

 縄文時代から食べられている、日本原産のフキノトウ。フキのつぼみ部分で春先に芽吹き、天ぷらなどにして食べる苦味が特徴の山菜だ。その苦味成分として多く含まれる「ペタシン」に、がんの増殖・転移抑制の効果があることを、岐阜大大学院の創薬研究グループが発見した。

 平島一輝特任助教、赤尾幸博特任教授らは、薬効をもつ可能性がある植物(野菜・果実)の抽出物を系統的に独自に集めて抗がん活性を調べた。研究成果は、橋渡し研究(基礎研究から臨床開発までを一体的に行う研究)の一流誌『The Journal of Clinical Investigation』 9月号オンライン版に掲載されている。

 がん細胞の増殖や転移が抑制されるメカニズムには、細胞内の器官でエネルギーなどを作り出すミトコンドリアが関わっている。がん細胞は正常細胞と比べて活発にグルコース(ブドウ糖)やグルタミン(アミノ酸の1種。タンパク質の素)などの栄養素を取り込み、がんの増殖や転移に必要な核酸とタンパク質、エネルギーを効率的に合成することが知られている。

 これらの代謝を効率的に進めるためには、ミトコンドリアの電子伝達系(呼吸鎖とも。グルコースが分解されて水と二酸化炭素になり、そのエネルギーを利用してエネルギー分子のATPが合成される)と、その最初の反応が起こる、ミトコンドリアの内膜上の「呼吸鎖複合体I」から連鎖反応によって供給される「ATP」と「補酵素NAD」が必要だ。そこで、呼吸鎖複合体Iを阻害することによってそれらの生成を遮断することで、がんの増殖と転移を効果的に抑制できると考えられている。

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