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【今から始めよう!70代まで働く健康術】暴飲暴食で崩れる腸内細菌バランス 増殖した悪い働きをする細菌が腸外へ移行し、肝臓の病態に悪影響 (2/2ページ)

 「マウスの研究では、これらの腸内細菌を排除する抗菌薬を用いると、肝臓のTH17細胞も顕著に減少しました。また、世界的にはバクテリオファージを用いた研究も進んでいます」

 バクテリオファージは、特定の細菌をターゲットにしたウイルスのこと。抗菌薬は耐性菌が生じる恐れがあるため、頻繁に活用することが難しい。だが、バクテリオファージなら、狙った細菌のみを死滅させることが可能で、薬剤耐性菌を心配することなく使用できる可能性がある。

 「PSCは、生体肝移植後にも再発することがある難病なので、有効な治療法を早く確立できればと思っています」

 一般的にこれまでも肝臓を守るために暴飲暴食はよくないといわれてきた。暴飲暴食は腸内細菌叢(そう=多種多様な細菌群)のバランスも崩し、悪い働きをする腸内細菌を増やすと報告されている。

 緊急事態宣言が解除され、つい浮かれがちだが、肝臓を守り、腸内環境を整えるためにも、食べ過ぎや飲み過ぎはなるべく控え、肝臓と同時に腸の健康にも役立てよう。

 ■原発性硬化性胆管炎(PSC)とは

 肝臓内外の胆管に炎症が起こる自己免疫疾患。胆管の炎症が続くことで胆管が狭くなり、胆汁の流れが悪くなり肝機能が低下していく。治療法は生体肝移植しかなく、難病指定。患者数は約2300人。潰瘍性大腸炎のような炎症性の腸の病気を合併することが多く、腸内細菌やその代謝物との関連が示唆されていた。一昨年、関連する腸内細菌の特定に慶應義塾大学医学部の研究チームが成功した。

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