【マンション業界の秘密】時代遅れ「区分所有法」の改正不可欠! 管理費をむさぼる悪質理事長…住人は排除する手段なく - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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時代遅れ「区分所有法」の改正不可欠! 管理費をむさぼる悪質理事長…住人は排除する手段なく

 私は、日本の分譲マンションという住形態について、法律的な欠陥があると考えている。区分所有法がかなり時代遅れになっている。施行されたのは1962年。すでに58年が経過した。何回か改正されているが、骨格はあまり変わっていない。

 問題だと思っているのは、悪意の理事長が現れた場合、マンションの住人である区分所有者たちがこれを排除しようにも、その手段をほとんど持たないことである。

 そもそも現行の区分所有法は悪意の理事長の出現を想定していない。悪意の-とは、組合の資産をさまざまな方法で自分のモノにしてしまう人物のことだ。

 私のところにはマンションに関連した数多くの相談が寄せられるが、管理に関することの9割以上がそれがらみと言ってもいい。

 実際にコンサルタントとしていくつかの事例に関わったが、この法律の壁に阻まれて、かんばしい結果を導くことができたとは、やはり言い切れない。

 マンションの管理は、言ってみれば民主主義の自治体運営と同じだ。管理費や修繕積立金は税金と同じ。市民は自分が払った税金がどう使われているかを監視すべきであるというのが民主主義の考え方で、役人や政治家はほうっておけば悪いことをやるという前提に立っている。

 しかし、管理組合の運営について定めた区分所有法では、管理者(理事長)が管理組合の資産を横領したり、不健全な形で自分に還流させたりする事態を踏まえていない。だから実際にそんなことが起こっても、区分所有者(民主主義では市民)には取り得る措置の選択肢がほとんどない。

 組合の資産が大きくなればなるほど、理事長が不正を働く確率は高くなるのではないか。経験則上、そうさえ感じる。

 500戸を超えるようなマンションになると年間に動かす資金は2億を超えることがザラだ。その1%を理事長が個人のフトコロに還流させるだけで200万円。5%なら1000万円になる。

 さらに言えば、理事長が5%くらいを還流させることはわけなくできる。自分の名前が出ない法人を作り、管理会社からそこに何らかの業務を発注させた形態をとればいい。こういう簡単な仕組みを作れば、資金還流の実態が露見することはまずない。

 管理会社もそういうことには慣れている。話を持ちかけられれば、ホイホイ応じるところもある。中には、仕事をやりやすくして利益幅を増やすために、管理会社側から持ち掛けるケースさえある。

 こういう実態を改めるためには区分所有法の改正が不可欠。会社法並みに監事機能を強化したり、会計や議決権行使の内容を透明化したりすれば、かなりの改善が期待できる。要は、情報開示や第三者による調査など、民主主義のお手本に見習えばいいだけで、今すぐにでも手を付けられる。

 ■榊淳司(さかき・あつし) 住宅ジャーナリスト。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案・評論の現場に30年以上携わる(www.sakakiatsushi.com)。著書に「マンションは日本人を幸せにするか」(集英社新書)など多数。

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