【マンション業界の秘密】韓国・文政権、市長選で大敗のワケ 不動産爆騰に市民の不満が炸裂、経済はそう悪くはないが…階層格差広がる - zakzak:夕刊フジ公式サイト

記事詳細

韓国・文政権、市長選で大敗のワケ 不動産爆騰に市民の不満が炸裂、経済はそう悪くはないが…階層格差広がる

 お隣の韓国で先ごろ、2つの重要な選挙が行われた。ソウル市と釜山市の市長選挙である。結果はともに野党候補の大勝利。文在寅(ムン・ジェイン)政権の大敗でもある。

 その原因は何かと言えば、慰安婦や徴用工問題などで日本との外交が行き詰まっていることではない。主な原因は住宅政策の失敗もあって、庶民が家を買えなくなるほど価格が高騰してしまったこと。さらに文政権の側近や土地住宅公社職員の不動産への不正投資疑惑などが、多くの国民の怒りを買ったからである。

 昨年の韓国の1人当たりのGDPは3万1000ドル(約335万円)超。G7に列するイタリアを超えている。すでに先進国と言っていい。つまり、物価水準は日本とさほど変わらない。

 首都ソウルには人口の約半分が集中している。この街の平均的なマンション価格は日本円にして8500万円だという。特に韓流ドラマで出てくるおしゃれな街並みを形成するソウルの江南(カンナム)エリアでは、2億円や3億円の物件も珍しくない。

 韓国の平均賃金はOECDの調査によると、約4万2000ドル。何と日本よりも高額である。それでも2億円のマンションが買えるレベルではない。

 韓国の若年層には「このままではマイホームが買えない」という諦め感が漂っている。それが現政権への不満となって、先日の選挙結果につながったのだろう。

 彼らは普通に給料をためていってもマンションを買えない。だから一発逆転狙いで、仮想通貨への投資に走ったりする。韓国では今、時ならぬ仮想通貨ブームなのだとか。

 ソウルのマンション価格がなぜそこまで高騰したのか。そのあたりの構造は、日本と似ていなくもない。簡単に言えば、高くなっても「買う人がいるから」ということに尽きる。

 ソウルの場合は江南地区という狭いエリアに人気が集中しすぎていることもありそうだ。

 江南地区では多くの人が、自分が住むという目的ではなく「値上がりするから」という理由でマンションを購入している。そのため、文政権は、1人が複数のマンションを保有することを禁止するような政策も実施した。

 しかし、上からの規制が強まれば強まるほど、その対象物の希少性が高まるのが、資本主義社会の法則。文政権の住宅政策はことごとく失敗したと言われている。

 今の韓国経済は、そう悪くはない。表面的には。世界的な「巣ごもり需要」などによってサムスンなどの業績は絶好調といっていい。ただ社会の階層格差は広がっている。それは昨年ヒットした「パラサイト 半地下の家族」という映画でも描かれている通り。

 ソウルのマンション価格高騰は、多分にバブルの要素を含んでいる。韓国では政府、民間企業、個人それぞれの負債が危険なレベルにまで膨らんでいる。そのどこかでクラッシュが生じれば、たちまちバブルの崩壊につながる。

 ■榊淳司(さかき・あつし) 住宅ジャーナリスト。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案・評論の現場に30年以上携わる(www.sakakiatsushi.com)。著書に「マンションは日本人を幸せにするか」(集英社新書)など多数。

関連ニュース

アクセスランキング

×