【大人のエンタメ】環境被害に苦しむ人々へ反公害のメッセージ ジョニー・デップ主演「MINAMATA-ミナマタ-」 - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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【大人のエンタメ】環境被害に苦しむ人々へ反公害のメッセージ ジョニー・デップ主演「MINAMATA-ミナマタ-」

 ハリウッドが、雑誌「ライフ」の伝説的写真家、ユージン・スミスと当時の妻が発表した写真集『MINAMATA』を題材に、迫真の社会派映画を製作した。それが23日公開の『MINAMATA-ミナマタ-』。テーマが水俣病だけに、わが国で大きな話題となるだろう。

 主役のユージンを演じたジョニー・デップは製作者の1人として、世界で環境被害に苦しむ人々へ反公害の熱いメッセージを伝えている。加えて妻役の美波をはじめ真田広之、國村隼、加瀬亮、浅野忠信、岩瀬晶子ら日本人俳優の熱演がドラマに厚みを与えている。

 物語は1971年のニューヨークから始まり、ユージンが日本から来たアイリーン(美波)の要請に応じて水俣を訪れ、現地の人々の日常や抗議運動の姿をカメラでとらえる日々を描く。雑誌『ライフ』に掲載された写真を撮るシーンは、キューバ危機映画『13デイズ』(2000年)と同じ手法(その場面だけモノクロとなる)でリアリズム感覚が優れている。

 画家・彫刻家としても活躍する監督のアンドリュー・レヴィタスは前述の撮影手法に加え、全編映像の醍醐味(だいごみ)を堪能させる作品に仕上げた。本作が写真家ユージンへの敬意を表しているのは言うまでもないが、当時の状況を日本での撮影をはじめモンテネグロでのロケーションフィルムなどを巧みに編集し、70年代の水俣を再現しているのが見事だ。

 アクションものばかりが目につくハリウッドでシリアスな社会派映画は珍しい。その点を高く評価するが、締めくくりが気になった。最後に世界の公害に警告を与えるくだり。アメリカが多いのは了解できるが、マレーシアやベトナムまで公害名が挙げられているのに環境汚染で注目を浴びる中国の公害が1カ所というのはいただけない。ラストもビシっと決めてほしかった。 (瀬戸川宗太)

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