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【忘れない、立ち止まらない 東日本大震災から10年】「被災地だから」ではなく「素敵な場所」へ 支援者から言われた「いい気になるなよ」 (1/3ページ)

 「あんまりいい気になるなよ」

 それが自分に向けられた言葉だと気づくのには、時間がかかった。まして、被災地支援をする人の口から出たとは信じられなかった。

 発災後1年もたたないころから、私は個人のSNSによく写真を投稿していた。

 大半は地元の風景写真である。被災した場所の現状について言葉で添えつつ、美しい自然や祭りなどの風物、当地ならではの明るい景色にフォーカスを当てたものばかりだった。

 前回も触れた通り、震災後、故郷の美しさをより強く感じ取れるようになった。“被災地”となってしまったが、それだけじゃない、地元の人に地元を嫌いになってほしくないと願い、ひたすら美しい風景を発信していた。

 外部の人が「きれいなところですね」と言ってくれるのはもちろん、地域の人に「こんな素敵な場所があったなんて気づかなかった」と喜んでもらえることが何よりうれしかった。

 そんな時に言われたのが、冒頭のセリフだ。

 某支援団体の男性から、最近の私のSNSを苦々しく思っている、と告げられ、「記者ならもっと被災地の大変さを強調しろよ。きれいな写真なんかじゃ伝わらないだろ」からの、「いい気になるな」発言であった。

 かわいそうだからこそ、心を寄せてもらえるんだぞ-言外にそういうニュアンスがあった。

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