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【富坂聰 真・人民日報】中国ウオッチに重要なのは「長期展望」 今年の注目は大学に新設37学部 (1/2ページ)

 中国をウオッチするときに重要なのは、個別に起きる問題と全体の流れを混同しないことだ。

 中国の政策実現は、多ければ4割の「嘘」が混じるが、その裏では静かに6割の推進力が働く。1年前の中国を見て今を語れば間違う。日本で見る中国分析の間違いの多くは、変化のスピードへの対処の遅れだ。

 インターネットの普及で材料はあふれている。この連載でも触れたが、「明日、中国が崩壊する」という記事を書くのは容易だ。「崩壊予言者」を驚かす記事だって書ける。

 だが、書かない。長期的に中国が崩壊寸前だといって通用するはずないことは明白だからだ。ではなぜ日本では間違った予測がまかり通るのか。

 中国の借金が、とか倒産件数が、と書くとき、どこの国のどうした事例を比較して深刻なのか、具体的な検証がないからだ。そんな記事は信用できない。

 全人代開幕直前、「過去1年で100万の小規模店が倒産」という記事が少し話題になっている。東部三省が深刻という。

 中国の圧力にさらされている日本人ならば飛びつきたくなる話だ。一人勝ちと評される中国経済にあっても個人消費の回復の遅れと雇用はアキレス腱(けん)に違いないのだ。

 だが、少なくとも中国の人々は「動」の性格を持つ。私の知り合いの多くもコロナ禍の中でさっさと店をたたんで別の国の不動産投資に切り替えたり、それこそ現金化して次のチャンスを待つ--家賃が下ったころ再開すればビジネスを拡大できる--など、きちんと見切りがつけられるのだ。こんな変わり身の早さが統計には反映されない活力として存在している。

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