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【誰かのために 東日本大震災と自衛隊】自衛隊の「笑顔届ける任務」に敬意、過酷な状況でも使命感と団結力で 君塚元陸幕長「ハートを届けることもわれわれの任務だ」 (1/3ページ)

 東日本大震災は11日、発生から10年を迎えた。マグニチュード9・0の地震と、その後の津波や原発事故は、東北地方を中心に甚大な被害をもたらした。陸海空自衛隊は直後から、約10万人が災害派遣に投入され、人命救助や遺体収容、原発事故対応、被災者支援などにあたった。当時、自衛官の壮絶な活動と、それを支える使命感や団結力、人知れず抱えた苦悩について、防衛問題研究家の桜林美佐氏は、夕刊フジで「誰かのために-東日本大震災と自衛隊」を約半年間連載した。わが国を取り巻く安全保障環境が激変するなか、10年後の特別版。

 「笑顔を見せていいんでしょうか…」

 未曽有の災害の後、自衛隊でそんな言葉が聞かれることがあった。被災して隊員やその家族を亡くした部隊に、後から着任した自衛官にとっては相手との経験値に大きな差が生じていたのだ。また、当時、活動した隊員家族も、似たような心境になっていた。

 「虚(むな)しさから抜け出せないんです」

 ある妻は、数年経って初めて、その思いを吐露した。決して注目されないが、家族が経験したあの震災の側面だ。心細さをひとりで耐え、活動する本人は「撤収」という結節があるが、実は家族には切り替える節目がない。

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