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【ケント・ギルバート ニッポンの新常識】震災の経験と教訓を今こそ 日本では非常事態にスピーディーな対応ができず…憲法を含め、包括的な有事体制の議論急務 (1/2ページ)

 東日本大震災から11日で10年となった。改めて、地震や津波で亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災されても日々努力されている被災者の皆さんに敬意を表したい。

 私は発生当時、群馬県高崎市内のホテルで講演をしている最中だった。シャンデリアが大きく揺れて、立っていられなかった。講演は即中断となり、東京の自宅に向けて車で帰宅したが、高速道路は封鎖されていた。倒壊の恐れがあり、通行中止になっている橋にも遭遇した。

 夜になり、あたりが停電するなか、一度も通ったことのないあぜ道を走ったことも、よく覚えている。携帯も使えず、カーラジオから情報を入手していると、東北の太平洋沿岸が壊滅的であるという報道がされ、事の深刻さが徐々に伝わってきた。帰宅できたのは翌日の午前2時ごろで、その後、初めてテレビで震災の状況を動画で見ることとなった。

 あれから10年、日本では、阪神・淡路大震災(1995年)で広がったボランティアが、東日本大震災でしっかりと「定着」したと思う。加えて、チャリティーについて、多くの人々が身近に感じたことだろうと思う。

 私は芸術家や文化人が集まる「エンジン01(ゼロワン)文化戦略会議」を通して、震災孤児にピアノを贈るなど、芸術や文化面で支援してきた。昨年は新型コロナウイルスの影響で中止だったが、11日には都内で同会議が主催するコンサートが開かれる。感染対策を万全に行ったチャリティーは、日本人が助け合いの精神を持つ活動の象徴といえ、非常によい習慣になっているといえる。

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