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「こんな死に方は悔しい」北朝鮮軍で死者続出…金正恩が緊急指令 (2/3ページ)

 たとえば、両江道(リャンガンド)のデイリーNK内部情報筋が伝えたところでは、昨年5月には道内の三水(サムス)郡に駐屯する朝鮮人民軍42旅団で、兵士5人が栄養失調で死亡した。部隊の中からは「戦争で死ぬなら悔しくないが、栄養失調で死ぬのは悔しい」「これが栄誉ある軍の服務なのか」などの不満が噴出したという。

 (参考記事:結核や栄養失調で欠員3割…お粗末な北朝鮮軍の冬季訓練

 報告書を深刻に受け止めた金正恩氏の指示により、軍の現場では今月11日から後方支援の準備、保証、供給システム、保養所の仮の建物の指定などの準備作業が行われ、選ばれた兵士が入所しつつあるとのことだ。

 保養所の所長は、各部隊の政治委員が兼任することになったが、これは「人民軍はよく食べてこそ国を守ることができる、司令部指揮部ごとに党委員会、政治部が責任を持ってこれ(栄養失調)を退治すべきだ」との金正恩氏のマルスム(お言葉)に基づいた措置だ。

 また、栄養失調が治ったあとでも、区分隊(大隊)の政治部が、彼らの軍での生活まで責任を持って面倒を見なければならないというのが、金正恩氏の指示の核心だ。

 頭を抱えているのは所長となった政治委員たちだ。保養所に入った兵士に食べさせる食糧を確保しなければならないからだ。少なくない政治委員が自宅で家族が飼育している兎、山羊、豚、鶏を保養所に提供しているという。つまり、自腹を切っているということだ。ここでも国から指示だけ下され、予算が支給されない「自力更生」が貫徹されている。

デイリーNKジャパン

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