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【高橋洋一 日本の解き方】中国の非民主主義と政治対決 日米が巻き返すワクチン外交、顔の見える援助は国益に有効 (1/2ページ)

 新型コロナウイルスのワクチンについては、これまで中国やロシアが各国に積極的に提供してきたが、ここにきて米国が台湾などに供給する方針を打ち出したほか、日本も台湾にワクチンを送った。

 米国では、既に2回のワクチン接種をした人は国民の4割、1回接種の人も半数を超えている。これは新型コロナがはやらない集団免疫に近い状況だ。このため、当面は米国内でワクチンをそれほど必要とせず、海外へのワクチン供給余力がある状態だ。

 ブリンケン米国務長官は6月1日、中米を訪れ、中国によるワクチン外交を牽制(けんせい)し、各国にワクチンを提供する意向を示した。

 日本も、ファイザー社から1億9400万回分、モデルナ社から5000万回分、アストラゼネカ社から1億2000万回分の提供を受ける予定なので、日本国民が2回接種するとしても十分すぎる量になっている。このため、台湾へ供給しても国内は全く問題にならない。

 政府は、ベトナムやマレーシアに対してもワクチン提供を検討している。台湾、ベトナムやマレーシアはワクチン接種率が低い。中国との関係をめぐっても、日本にとって介入する余地があるので、外交上チャンスでもある。東南アジア諸国連合(ASEAN)では、中国のワクチン外交に押されているが、日本が押し戻す可能性が出てきた。

 しかも、日本が提供する欧米製ワクチンは、中国製ワクチンより有効性が高いものだ。それが原因であるかどうかは定かでないが、中国製ワクチンを提供されていたチリでは感染者増が収まっていない。東南アジアで、欧米製ワクチンと中国製ワクチンの導入状況が国によって異なることで、効能比較が競われることとなろう。欧米製ワクチンの優位性が示されることになるかもしれない。

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