記事詳細

【長谷川幸洋 ニュースの核心】「台湾有事」矮小化する左派!? 甘い外交態度が中国の強気を誘発、菅政権は防衛する意思を明確にすべき (2/3ページ)

 私は、麻生発言を大々的に報じれば、それが真実であり「日本の重大問題」と読者に分かってしまう。さりとて何も報じなければ、今後の展開についていけなくなる。そこで、中途半端な判断をしたのではないか、とみる。

 朝日新聞は4月の日米首脳会談で、「台湾海峡の平和と安定の重要性」が共同声明に明記された後、6月に「台湾海峡『危機』のシナリオ」という連載記事(計7回)を掲載した。その2回目で、「南西諸島が1つの戦域になるのは、軍事的には常識で、日本の安全保障に直結する」という河野克俊前統合幕僚長の発言を紹介している。

 つまり、彼らも分かっているのだ。分かってはいるが、日本が「台湾有事」に参戦するような現実は見たくない。そんな「左派特有の心情」が記事の小さな扱いににじみ出ている。私には、そう見えた。

 マスコミの反応はともかく、菅義偉政権は「台湾有事」にどう対応するのか。

 菅首相自身は4月4日、日米首脳会談に先立って、テレビ番組で「台湾危機が存立危機事態に該当するかどうか」を問われ、「私の立場で、仮定の話に答えるのは控えたい」と語っている。今回の麻生発言は、菅首相に代わって、政権のナンバー2が「該当する」と表明したかたちだ。これは「一歩前進」と評価したい。

 日本は中国より先に、「侵攻すれば、日本は自国の安全保障問題として、米国とともに対応する」と非公式なかたちで宣言した。中国が反発したので、緊張が激化したように見えるかもしれないが、双方が態度を明確にして、相手が誤解する可能性を少なくした。

関連ニュース