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【高橋洋一 日本の解き方】「科学」よりも「感情」が優先の社会 コロナへの恐怖で政権も動揺…ワクチンと時間が解決するか (2/2ページ)

 科学的分析の第一歩である国際比較について、日本の現状を各国と客観的に比較することさえ、筆者の「さざ波」発言のように社会的に批判されるという情けない状況だ。

 こうしたことの裏には、一部勢力が声高に東京五輪中止を今でも叫んでいることもある。それが政治的な動きになって、一部野党も後押ししている。

 一方、小池百合子都知事も自らの政治プレゼンスをそれらに乗じて高めようとし、政治的な老獪(ろうかい)さを発揮している。そうした中で、菅義偉政権も浮足立ち、冒頭述べたような基本的な行政判断も間違うようになってしまった。

 さらに、一部のマスコミがコロナをあおる報道を繰り返し、この異常な動きを加速している。筆者は、こうした各方面の動きの相乗作用によって、事実や科学、法律を無視するというあり得ない事態が生じているように思える。

 こうした動きのさらなる背景として、新型コロナへの恐怖が人々の正常な判断を阻害しているように思えてならない。

 人は誰しも弱いものなので、未知のものに対する恐怖心がある。筆者の知人にも少なくないが、新型コロナという目に見えないものを冷静に判断できず、感情で反応するのは分からなくもない。

 100年ほど前のスペイン風邪のときも、根拠のない流言飛語が飛び交い、冷静な判断を妨げたという。今回、感情的な判断ばかりなのも、新型コロナがもたらした心理的な要因が根本にあるのだろう。

 欧米の例をみていても、ワクチン接種が進めば、新型コロナの社会的な影響は徐々になくなっていくのではないだろうか。時間だけが確実な解決策である。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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