記事詳細

【男性医学の父が語る オリンピックとセックスチェック】スポーツ競技での「性の平等」とは? 運動能力を考慮して公平性を保つため、ジェンダー平等論とは別次元の話 男性創造物語について理解が必要 (2/2ページ)

 母親のお腹にいる間に、男の子は自らの出来たての睾丸から分泌されるテストステロンを浴びて男性化。これでかなり方向性が決まり、さらに思春期の本格的なテストステロン分泌によりその特徴を深めていく。テストステロンをどの程度浴びたかによって、個々の性器、身体、脳、性的性格、性役割などの異なる男性らしさが創り出される。

 「この話をすると、(シモーヌ・ド・)ボーヴォワールが『女は女として生れるのでなく、女に創られるのである』と言ったように、教育で性差・性役割は形成されると教育学者の方々から反論をいただきます。極端な主張では、小学校の運動会の徒競走などで性差の優劣はあってはならず、男女仲良く手をつないでみんな一緒にゴールさせるべしとおっしゃる」

 「私の立場からすると、社会学と医学を混同する論理は馬鹿げています。人間はそもそも“生き物としての制約”の下で生きています。人間以外のライオンでも鳥でも、身近な犬や猫でも、オスとメスでは体力も役割も見た目も違いがあります」

 スポーツ種目が男女別なのは、あくまでも生物学的なオス・メスの視点である。しかしその区別も「性器なのか?」「性ホルモンなのか?」と一筋縄ではいかない問題をはらんでいる、と熊本氏は指摘する。この続きは次回へ。 (取材・熊本美加)

 ■熊本悦明(くまもと・よしあき) 1929年、東京生まれ。札幌医大名誉教授、みらいメディカルクリニック(東京都文京区)名誉院長。東京大医学部卒業後、同大講師(泌尿器科学講座)を経て、米カリフォルニア大ロサンゼルス校へ留学。68年に札幌医大医学部秘尿器科学講座主任教授に就任し、日本メンズヘルス医学会、日本性感染症学会を創立。『アダムとイヴの科学』(光文社)、『男はなぜ女より短命か?』(実業之日本社)など著書多数。

関連ニュース