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【高橋洋一 日本の解き方】太陽光は原発より安くなるか? ウイグル問題は価格上昇要因、国は間違ったシグナル出すな (1/2ページ)

 経済産業省が太陽光発電の2030年時点のコストが1キロワット時当たり8円台前半~11円台後半と、原子力発電(11円台後半以上)より安くなるとの試算を示したと報じられた。バックアップ用の火力発電のコストが含まれていないことなどが指摘されているが、どのような電源の構成が望ましいだろうか。

 太陽光発電のコストが下がるという見通しの根拠をいえば、これまでに実際のコストが下がってきたという事実がある。

 しかし、この1年間でみると、太陽光パネルの主原料であるシリコンの価格は5倍近くに高騰し、パネル価格も3~4割上がっている。その理由の一つに人権問題がある。シリコンは中国の新疆ウイグル自治区で生産されたものが世界の5割程度を占めているが、強制労働など人権弾圧が指摘され、それを利用する政治リスクが浮上した。だが、その回避のために代替地を確保するのは困難だ。

 経産省の試算のように長期的な価格見通しをする際に、短期的な変動要因を無視することはあり得るが、筆者からみれば、この1年間の価格変動は、構造的なものであり、中長期的な価格見通しにも価格上昇要因として織り込むべきだと思える。

 これまでの中国産の太陽光パネルはたしかに安かったが、それは中国政府からの補助金が大きな要因だった。今後、新「冷戦」時代になり、対中国ビジネスに対してさまざまな規制があり得る。米国政府はウイグル関連で個別物品に対する輸入規制を実施してきたが、包括的な輸入規制法も米議会の超党派により成立している。

 こうした動きは米国に限らず欧州でもみられる。

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