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【ケント・ギルバート ニッポンの新常識】アフガンでタリバン復権 アメリカが「国づくり」に成功したのは日本だけ (1/2ページ)

 ジョー・バイデン米政権が、アフガニスタンでの駐留米軍撤退を8月末までに完了させる方針を示したことで、反政府武装勢力「タリバン」は大統領府を占拠するなど、全土支配をほぼ実現させ、勝利宣言した。「9・11」から20年となることを受け、計画された撤退はあまりに性急すぎて、米国は国際社会に恥をかいてしまった。

 米軍が撤退することで、アフガンの女性や子供の身に危険が及ぶことが予想される。すでに空港に国外に脱出しようとする市民が殺到し、略奪が行われているとの報道もある。アフガン政府軍や米国に協力した人々も危険だ。数万人が「特別移民査証(ビザ)」の対象になるという。バイデン政権は、米国民らの退避を支援するため、部隊を追加派遣する。

 これらの混乱ぶりは、長年に渡ってアフガンに関わってきた「米国の敗北」を象徴しており、「米国の弱体化」を連想させる。これを喜ぶのは中国とロシアだけといったところだろうか。

 ただ、「もう疲れた…」というのが多くの米国民の感情だろう。同時多発テロをきっかけに始まった戦争は、米国史上最長だ。多くの命を失い、米国の累計戦費は2兆2600億ドル(約250兆円)ともいわれる。ドナルド・トランプ前政権も撤退を計画していた。バイデン政権は手順を誤ったとはいえ、米国民の「撤退してほしい」という思いはほぼ一致していたはずである。

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