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激増するサイバー攻撃の恐怖 米同時多発テロから20年 水道、石油パイプライン…狙われるインフラ、背後に国家の支援も (1/2ページ)

 米中枢同時テロから20年となった米国では物理的なテロに代わり、サイバー攻撃の脅威が増している。標的は公的機関から民間企業に及び、特にインフラ部門への攻撃が市民生活に影響を与えている。バイデン政権は官民一体で対策を強化しているが、ハッカーとの「サイバー戦争」に乗り出すべきだと訴える声も出ている。

 フロリダ州オールズマー市で2月、水道システムにハッカーが侵入し、水道水に含まれる水酸化ナトリウムの濃度設定を通常の100倍以上に変更した。システムを監視していた職員が異変に気付いたため住民約1万5000人に実害はなかったが、もしそのまま供給されていれば甚大な健康被害の恐れがあった。共和党のルビオ上院議員が「国家安全保障の問題として扱われるべきだ」と指摘。サイバー攻撃の恐怖があらわになった。

 5月には米国最大級の石油パイプラインが攻撃を受け、操業停止に陥った。ガソリンの供給不足からノースカロライナ州などで多くの給油所が一時的に閉鎖、ガソリン価格も高騰するなど大混乱が生じた。システム障害を起こして身代金を要求するコンピューターウイルスの一種「ランサムウエア」による攻撃で、運営する米コロニアルパイプラインは440万ドル(約4億8000万円)を支払ったとされる。

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