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【長谷川幸洋 ニュースの核心】岸田新総裁、安全保障は大丈夫か? 尖閣防衛は“話を聞いている”うちに、手遅れになる可能性 求められるのは“毅然とした政治の判断力” (1/2ページ)

 新しい自民党総裁が岸田文雄前政調会長に決まった。次の首相である。「岸田政権」で何が変わるのか。

 総裁選で番狂わせだったのは、1回目の投票で最有力とみられた河野太郎行革担当相の支持票が伸びなかった点だ。議員票は、高市早苗前総務相の後塵(こうじん)を排して3位に沈み、合計得票数も岸田氏に届かなかった。「完全な敗北」である。

 なぜ、河野氏は負けたのか。

 一言で言えば、自民党員が「危うさ」を感じ取ったからだろう。例えば、年金改革に挑戦する姿勢を示したが、中身がいかにも生煮えで、「大増税」を予感させた。それでは、かつての民主党と変わらない。

 私は、河野氏の敗北こそが「岸田氏の勝因」と思う。岸田氏が自ら勝利をもぎとったというより、河野氏が沈んだ結果、岸田氏に総理・総裁の座が転がり込んできたのである。

 岸田氏には、押し出しの弱さがつきまとっていた。だが、河野氏が「暴走」してくれたおかげで、逆に安心感に変わってしまった。こんな展開を見ると、皮肉でなく「自民党には人材が多い」と感じてしまう。

 岸田政権は、日本をどう変えるのだろうか。

 岸田氏が内政で強調したのは「分配重視」だ。「新しい日本型資本主義」を掲げて、中間層の拡大を掲げている。それは重要には違いないが、世界と比べれば、日本は成長力の弱さが歴然としている。

 1人当たり国内総生産(GDP)で見ても、2020年は経済協力開発機構(OECD)34カ国中19位だ。かつて日米欧と並び称された面影はない。

 成長をどう取り戻すのか、を忘れて、分配だけに目を奪われてしまったら、野党とどこが違うのか、という話になりかねない。

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