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【長谷川幸洋 ニュースの核心】“日米をテスト”中国軍機の台湾進入 「怒り」伝わらない岸田・バイデン政権の傍観的対応 救いは高市氏の「台湾TPP加盟支援」発言 (2/3ページ)

 中国共産党は、まさに軍事力と宣伝をフル動員して、台湾を挑発している。これは、何を意味するのか。

 中国は「米国が、いま失意のどん底にある」とみている。アフガニスタンからの撤退を強いられただけでなく、撤退作戦自体も大失敗に終わったからだ。バイデン政権は米国内で共和党だけでなく、与党の民主党からも批判されている。

 アフガニスタン戦争をともに戦った欧州も同じだ。欧州は、自分たちと十分な事前調整もなく引き揚げた米国に不信感を残している。おまけに、原子力潜水艦のオーストラリア配備をめぐって、米国はフランスと大ゲンカになった。

 アフガン撤退を機に、米国では、他国の紛争に対する武力介入をためらう声が出ている。中国はバイデン政権が「台湾防衛にどこまで本気なのか」を試しているのだ。

 これに対して、米ホワイトハウスのジェン・サキ報道官は4日の記者会見で、「台湾に対する軍事、外交、経済的圧力と威圧をやめるよう、中国に強く求める。われわれの台湾に対するコミットメントは岩のように硬い」と語った。

 この言い方は国務省報道官とまったく同じだった。言い換えれば「型通りの反応」である。これでは、「バイデン政権の怒りが伝わった」とは言い難いだろう。

 中国の挑発は、岸田文雄新政権が発足したばかりの「日本に対するテスト」の意味合いもあるに違いない。ジャブを繰り出して、日本の出方を見極めようとしているのだ。

 ところが、松野博一官房長官は「引き続き関連動向を注視したい。台湾問題が平和的に解決されることを期待する」と語っただけだった。

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