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【大前研一 大前研一のニュース時評】21世紀の“新植民地主義” 暴走する中国「一帯一路」 東アジア諸国「借金漬け」で経済侵略 (1/2ページ)

 中国の広域経済圏構想「一帯一路」に絡んで、融資を受けた低所得国で公的な借入金に含まれていない融資、つまり政府負債として公になっていない「隠れた債務」が3850億ドル(約43兆円)にものぼることが判明した。

 米国のウィリアム・アンド・メアリー大学の調査機関「エイドデータ研究所」が明らかにした。2000年以降に中国政府や国有企業がアジアやアフリカなどの165カ国に資金を拠出した約1万3000件(8430億ドル=約94兆円)の事業について、支出額や負債額などを調べたもの。

 13年に習近平国家主席の提案で始まった一帯一路は、中国と東南アジア、アラビア半島、アフリカ、欧州を陸路と海路で結ぶ新シルクロード経済ベルト構想。中国による途上国向けの開発援助額は一帯一路構想前の00~12年は320億ドルで米国の340億ドルとほぼ同じだったが、13~17年に年平均850億ドルと米国の370億ドルを大きく上回った。

 3850億ドルもの「隠れた債務」は、中国の対外融資の半分近くに相当する。一帯一路以降、特別目的会社(SPC)を通じて資金を提供するケースが増えたからだ。

 一帯一路は、相手国を借金漬けにして、債務免除と引き換えに言うことをきかそうという「負債の落とし穴」の問題が指摘されていた。不透明な融資の実態が数値化され、この一帯一路が中国の「経済侵略」につながることが明らかになったわけだ。

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