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【大前研一 大前研一のニュース時評】21世紀の“新植民地主義” 暴走する中国「一帯一路」 東アジア諸国「借金漬け」で経済侵略 (2/2ページ)

 中国の投資は道路や港湾、鉄道、通信情報施設、下水道、学校、病院、公園、公営住宅などのインフラに使われる。漢方薬と同じで、すぐに「もうけ話」にピリッとつながるわけではない。不透明なことはいくらでもできる。

 一帯一路によるインフラ投資上位国は、パキスタン、インドネシア、カザフスタン、マレーシア、カンボジア…の順になっている。対中債務が国内総生産(GDP)の10%を超える国は42カ国で、最も大きいのはラオスの35%だ。

 ASEAN(東南アジア諸国連合)の会議で、「中国に対しては、意見を一致させていこう」「中国の海洋進出を止めよう」などの議論があると、ラオス、カンボジア辺りがいつも反対に回る。中国ににらまれることを恐れているわけだ。莫大な借金を返済する力は、こういう国にはないだろう。

 今後、コロナ禍で打撃を受けたアジアやアフリカ諸国の中には、「中国に遠慮しないといけない」という国がますます増えてくるのではないか。まさに経済支配の一形態といえる。

 米国もかつてはこういうことをやってきた。日本やドイツの敗戦国に対しても、いろいろ経済援助をしてくれた。ガリオア(占領地域救済資金)やエロア資金(占領地域経済復興資金)だ。

 ガリオアは主に疾病・飢餓を防いで社会不安を除いて占領行政を円滑にさせることが目的。エロアは経済復興を目的に石炭や鉄鉱石、工業機械など生産物資の供給のために充当された。これ、当初はひも付きではなかった。フルブライト交流計画などの奨学金制度もあった。そのおかげで多くの日本人が米国で勉強できた。

 孔子学園などのソフトな感化策もあるが、中国の一帯一路戦略の考え方はそれとも違う。21世紀の新植民地主義というものを、あからさまに出してきている。

 ■ビジネス・ブレークスルー(BBTch)の番組「大前研一ライブ」から抜粋。

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