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【高橋洋一 日本の解き方】「分配公約」だらけの衆院選、より切実なのは成長戦略だ 規制改革や公務員改革が不十分…第三極に活躍の余地も (2/2ページ)

 世界でみると、富の偏在は1990年代以降拡大傾向であったが、2010年代にはおおむね横ばいになっている。

 こうした状況を考えると、今の日本で分配政策の優先順位はそれほど高くない。むしろ、岸田首相が「成長なくして分配はない」と言うように、成長の方がより切実だ。

 成長戦略をみてみよう。自民は、大胆な危機管理投資と成長投資、金融緩和、積極財政、成長戦略を総動員といい、立民は中長期的な研究・開発力の強化、グリーンや医療などで新たな地場産業創出を盛り込んだ。ともに投資を強調しているが、自民はマクロ経済政策も動員するとしているのに対し、立民はマクロ経済政策の発想がうかがえない。

 自民も立民も規制改革の視点が欠けており、成長戦略からはやや遠くなっている。

 「分配」を自民まで言い出したので、立民は、左派としての立ち位置の確保に苦慮しているようだ。規制改革や公務員改革が言えないので、生産性向上の施策が欠けて、政策論争としては苦しいだろう。一方、自民も左に寄ったので、規制改革や公務員改革が不十分になっている。そのあたりに、第三極の活躍の余地が出ている。

 岸田政権の勝敗ラインは、自民と公明党合わせて過半数の233議席だ。

 野党共闘は、9月30日に立民の枝野幸男代表と共産党の志位和夫委員長が限定的な閣外協力で一致した。立民の支持団体である連合は閣外協力に反対しているが、両党は衆院220選挙区で一本化や候補者調整を行った。これは自公にかなりの脅威だろう。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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