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池江璃花子、個人種目“出場なし”の理由 放映権絡む「午前決勝」

 日本水泳連盟が28日、東京五輪に出場する競泳日本代表のエントリー種目を発表した。白血病から奇跡の復活を果たした池江璃花子(20)は個人種目に一切出場せず、リレー種目に専念する。その理由とは-。

 池江は五輪選考がかかった4月の日本選手権で100メートルの自由形、バタフライなどで優勝。リレーの派遣標準記録は堂々突破したが、個人の同記録には届かなかった。個人種目では1カ国・地域から2人まで出場が可能。個人種目エントリーは可能だったが本人の「チームに貢献したい」という希望を優先した。

 もうひとつ、池江の個人種目出場が見送られた理由には、競泳が午前決勝になったことがある。競泳の国際大会は本来、午前に予選が実施され、午後の時間帯に準決勝、決勝が実施される。五輪で競泳が午前決勝になるのは、2008年北京大会以来だ。

 日本水連は午後決勝を要望。しかし、これはあっけなく却下された。米国ではロンドン、リオデジャネイロ大会で競泳が高視聴率を獲得。国際オリンピック委員会(IOC)に総額1兆円以上の放映権料を払っている米国NBCの意向と、「競泳の決勝は北京と同じ時間帯」(IOCコーツ調整委員長)として大会側が譲らなかったからだ。東京大会で競泳日本代表にはホームアドバンテージは全くないといっていい。

 個人種目で決勝に進出すれば最低でも朝5時前に起床。これまでの調整方法は一切通用しない。リレー種目も午前決勝だが、池江の負担を考えて当然の個人種目回避だった。

 一方、400メートルメドレーリレー、男女が2人ずつ泳ぐ新採用の混合400メートルメドレーリレーの2種目のエントリーは締め切り前で、池江はリレーで最大3種目を泳ぐ可能性がある。困った時の“池江頼み”のカードは残している。 (編集委員・久保武司)

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